コラムvol.07
「野球肘」について
かちがわ接骨院に来院されます患者様の中には、スポーツ中にお身体を負傷して来院される方が多くみえます。
その中でも特に多いスポーツの症状として、野球をしている患者様が主訴される「野球肘」が挙げられます。
今回はこの「野球肘」についての原因や症状、治療法などについてお話させて頂きます。
「野球肘」とは、野球の中での投球動作を繰り返し行うことで引き起こされる肘関節の障害のことを指します。「野球肘」とは1つの病名を指す名称ではなく、「離断性骨軟骨炎」や「骨端軟骨損傷」、「靭帯損傷」、さらには進行してしまった場合の「変形性関節症」などの複数の病名を包括的に含む病名です。
また、野球肘は筋肉が完成しきっていない成長期の子どもに起こることが多く、肘関節としても代表的な病気の1つとも言えます。野球肘を発症すると、長期間にわたり肘関節を休ませることが必要になる為、予防的な観点もとても重要となります。
一般的に野球肘は、投球動作を繰り返すことが原因で発症します。
肘には多くの骨や軟骨、靭帯、腱などが存在していますが、投球動作を繰り返し行うことでこれら各部分に負担がかかります。投球動作で軟骨が障害を受けるのは、成長期にある小児にみられることが多いです。
実際に野球肘が発症するかどうかは、成長期であるかどうか、身体の左右差や姿勢の異常、筋肉や関節の硬さや弱さ、緩みなどの他、投球フォームの異常も深く原因として関係してきます。
かちがわ接骨院に「野球肘」で来院されます患者様の症状として、肘の「内側」「外側」「後ろ側」といったように、痛め方によって負傷箇所が分かれてきます。
*肘関節の内側の痛みを訴える場合には
上腕骨内側上顆障害(リトルリーグ肘)、上腕骨内側上顆骨端線閉鎖不全、上腕骨内側上顆骨端線離開、内側側副靭帯損傷、回内屈筋群の障害(肉離れ、疲労)、尺骨神経障害といった障害を疑う必要があります。
*肘関節の外側の痛みを訴える場合には
離断性骨軟骨炎(上腕骨小頭障害)、滑膜ヒダ障害といった障害を疑う必要があります。
*肘関節の後ろ側の痛みを訴える場合には
肘頭骨端線閉鎖不全、肘頭疲労骨折、肘頭骨棘骨折、後方インピンジメント(骨同士の衝突)といった障害を疑う必要があります。
*痛みの場所が定まらない場合には
関節内遊離体(関節ねずみ)、変形性肘関節症、胸郭出口症候群といったことを疑う必要があります。
かちがわ接骨院では、問診時にて症状の確認や様々な徒手検査をさせて頂いたうえで施術を施します。
程度が軽い初期段階であれば、投球動作を一時的に控えて肘関節を休ませることで治癒することも期待できます。ただし、症状によっては数か月以上に渡って投球動作を控えることが求められる場合もあります。
肘関節の痛みの施術を行う際、肘関節の痛みの箇所、どのような動作時に痛みが現れるのか、患部の炎症反応などの確認を行い、炎症反応がみられたら患部にアイシングを施し、肘関節を構成する周辺筋肉(上腕二頭筋、上腕三頭筋、上腕筋、腕橈骨筋など)への施術(物理療法、徒手療法など)を行います。
また、症状や患者様の運動のスケジュールによっては患部へのテーピングを施します。
軽症と診断できる症状もあれば、骨折という重症化してしまっている症状もあります。まずはしっかりと安静を保ちつつ、不安があれば早期にレントゲンを行うことで症状を判断することが可能です。また、指導者の判断をしっかりと仰ぎ、フォームの見直しを必要とすることもあります。
少しでも競技から離れる時間が短くなるように、痛みの前段階の違和感などがありましたら、かちがわ接骨院までご相談くださいませ。