コラムvol.09
「オスグッド」について
かちがわ接骨院に来院されます患者様の中には、スポーツ中にお身体を負傷して来院される方が多くみえます。今回は、成長期のスポーツをされるお子様に起こりやすいスポーツ障害の「オスグッド・シュラッター病」について原因や症状、治療法などについてお話させて頂きます。
「オスグッド・シュラッター病」とは、脛骨結節と呼ばれる、膝の皿の下にある骨が飛び出してくることで痛みが起こる症状です。赤く腫れたり、熱を持ったりすることもあり、スポーツをしている間に症状が現れやすい特徴があります。
成長期の子どもに起こりやすいスポーツ障害の1つとされており、特にサッカー、陸上、バレーボール、バスケットボールなど、跳ねたり、ボールを蹴ったりする動作を行う競技でよく起こります。
小学校高学年〜中学生(10歳〜15歳頃)に発症することが多く、女子より男子に多くみられます。一般的には成長期が過ぎると自然と症状が緩和していき、痛みがなくなればスポーツを再開することも可能です。
オスグッド・シュラッター病は、2つの要因が重なることで発症しやすいとされています。
*要因1 未熟な骨が多数存在する成長期
小学校高学年〜中学生になると、クラブ活動や部活動などこれまでに増して熱心にスポーツを行うことも多くなります。この時期は、ちょうど男の子の成長期に重なり、急激に軟骨から骨へ変わり、身長が伸びる子も少なくありません。
しかし、筋肉や腱などの軟部組織は、骨と同じように成長できないため、成長期は太もも前の筋肉(大腿四頭筋)の柔軟性が低下して、硬くなります。
また、成長期の子供たちの骨には、骨が成長するのに必要な新しい骨がたくさん存在しているため、比較的強度が弱い状態です。
*要因2 膝の曲げ伸ばしの動作をやり過ぎて軟骨に負荷をかける
膝を使う(曲げる・伸ばす)動作は、膝前面にある大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)及び付着する膝蓋腱が脛骨を引っ張ることによって行われています。
上記2つの要因が重なり、成長期に太ももの前の筋肉や付着する腱が、繰り返し脛骨を引っ張り過剰な負荷をかけることで、未熟な骨や軟骨の一部が剥がれてしまい、痛みや腫れが生じてしまうのです。
オスグッド・シュラッター病の主な症状は、脛骨結節の隆起と痛み、腫れ、患部が炎症を起こすことなどです。痛みは膝を動かすと現れ、休んでいるときは和らぐことが多いです。また、一般的に症状は片脚にだけみられます。
かちがわ接骨院では、問診時に症状の確認や様々な徒手検査をさせて頂いたうえで施術を施します。
オスグッド・シュラッター病の基本的な治療は、「患部を休めること」です。患部以外はトレーニングを続けることも可能です。症状が初期であれば、部活動における「練習量を減らす」もしくは「安静にする」ことで症状が緩和されます。
オスグッド・シュラッター病による痛みの施術を行う際、膝関節の痛みの箇所、患部の炎症反応などの確認を行い、炎症反応がみられた際は患部にアイシングを施し、膝関節の周辺筋肉(大腿四頭筋、ハムストリングス、前・後脛骨筋など)への施術(物理療法、徒手療法など)を行います。
また、症状により患部への負担を軽減させるためにテーピングを施します。
痛みを我慢して今まで通り運動を続けると、悪化して手術が必要になる場合もあります。
成長期に伴う「大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)の硬さ」がオスグッド・シュラッター病の元凶となります。そのため、スポーツの前後には、念入りにストレッチを行って、太ももの前の筋肉の柔軟性を保つことが大切です。
スポーツ少年・少女にとって長期的な運動制限は、身体能力の低下以外にもモチベーション低下など精神的な影響を及ぼす場合もあります。
「運動すると膝下が痛くなる時」や「膝のお皿の下の骨が出てきた時」など、膝関節への違和感や痛みを我慢しながら競技を続けていらっしゃるお子様や、ストレッチ方法がわからないということがございましたら、かちがわ接骨院までご相談くださいませ。